嫁姑は生涯の敵というのは過去の話
昔から結婚に関する問題として、ごく当然のように挙げられてきたのが「嫁姑問題」です。
嫁姑は、夫という一人の男性を巡って「母親」と「妻」という相容れない立場からの取り合い、という構図のなかで生じるものとされてきました。
また、結婚をしたら嫁は夫の家に入るということが常識であった時代においては、一家の「台所」を預かるにおいてその主導権争いをするということでも対立が起こることがよくあったのです。
しかし時代は変わり、結婚をしたら夫婦は実家を出て自分たちの家庭を持つということが当たり前になり、さらに「家」という意識が低下してきたことにより、従来まであった嫁姑問題は起きにくい環境になってきました。
もともと嫁姑問題は、「家」という閉鎖的な空間において生活圏の中にあるコミュニティからの圧力によってお互いにストレスを貯めている、ということが背景になっていた側面があります。
さらにテレビや雑誌などの大手メディアで嫁姑問題をおもしろおかしく特集してきたことにより、あらかじめお互いに予防意識が芽生えたということもあるでしょう。
今後もますますこの傾向は強まっていくことが予想されるので、将来的には嫁姑問題ではなく単なる「親族間の人間関係の一つ」という扱いになっていくのかもしれません。
実母よりも姑の方が頼りになる!という意見も
結婚するまでは不安だったけれども、実際に家庭を持ってみたら思いのほか姑が物分りがよくて助かった、という意見も現在では多く聞かれています。
実家の母親と折り合いが悪く、就職するまで家庭内が険悪でした。
結婚後も同じような感じかと思っていたら家事について詳しく、会うたびに細かいテクニックを教えてもらえて重宝しています。(29歳/事務職/女性)
結婚前の顔合わせのときに「娘がいないのでお嫁さんが来てくれるのを楽しみにしていた」と言ってくれたのが嬉しかったです。
今では定期的に旅行に行く間柄になっています。(30歳/パート/女性)
無理にでも同居をしなくても良くなった分、お互いに適度な距離感をとりつつ付き合いをしていけるお姑さんが増えてきたということもあるでしょう。
嫁がその「家」のしきたりに従わなくてはならないという強制が解けた分、最初からお互いの家庭環境や考え方が違うということを受け入れやすくなったのかもしれません。
最初の子供を生む時には遠方の実家に帰りましたが、実家に同居している兄弟の目があってあまり心が落ち着きませんでした。
そこで二度目の出産は夫の実家に頼ったところ、とても大切にもらえて感謝しています。(28歳/主婦/女性)
全てのケースで実家と嫁ぎ先とどちらが良いか決まるわけではありませんが、昔とくらべて嫁という立場も随分自由になったということは言えるでしょう。